大林素子さんが「愛のムチ」。女子バレーは東京へ大型選手育成を急げ (6ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by JMPA

――次の全日本監督について。もし、一部報道で出ているように中田久美さん(元全日本セッター、久光製薬監督)になったら、どうでしょう。

「次、誰がやるのかわかりませんが、相当な覚悟がないとできないし、やってほしくない。東京なので開催国として出られる、というのではダメ。やる以上は腹をくくって心中します、すべてを賭けますという思いで、チームを作らないと間に合わないし、メダルには絶対届かない。  

 久美さんはオリンピックの本当の怖さを知っている。メダルを獲れたとき、獲れなかったとき、両方を経験している。(ソフトボールの)宇津木妙子監督とか(シンクロの)井村雅代コーチのお話を聞くと、女子同士って一番きつい。メンタルで一番きついところを、女性なら言えちゃう。『もうできません』と言われたときに『まだできるでしょ』って言える。もし久美さんになったら、どんどん言って、久美さんらしいチームを作ってほしい。

 私の中では一番近い人なので、解説者的にはやりやすくもあり、やりにくくもあり......。でも、中田監督の試合を伝える楽しみもできますね」

 木村沙織はアメリカ戦で敗れて決勝トーナメント敗退が決まったあと、セッターの宮下に「(古賀)紗理那をよろしくね」と頼んだという。強豪チームのさらなる進化を目のあたりにし、課題も多く見つかったリオ五輪だったが、4年後の東京五輪に向けて新しい世代で、新しい体制で、今回届かなかったメダルを目指してほしい。

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