女王ブラジルに完敗。次のロシア戦、「4つの世界一」の先に勝利が見える (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  photo by AFLO


――第3セットはどう見ましたか。

「何とか2点差でついていきながら、我慢して我慢して鍋谷のサーブでの5連続ポイントで『行けるかも』と思わせたのは、眞鍋(政義)監督が悩みながら選んだ鍋谷がそれに応えましたね。

 ただ、長いラリーの最後に木村沙織がいいスパイクを打ちきって『波に乗れる!』と思ったのですが、自分たちでサーブミスをしてしまって、なかなかその波をつかみきれなかったなと思いました」

――全体を振り返っていただけますか。

「日本が掲げてきた『4つの世界一』、サーブ・サーブレシーブ・ディグ(スパイクレシーブ)・ミスの少なさ、これが王者に相手にどうだったかというと、十分出し切れなかったように思います。

 ブラジルはバックアタック2枚であったり、厚い攻撃を仕掛けてきて、その対応に苦しみました。やっぱりサーブなんですよ。サーブで相手を乱せれば、万全でない状態で打たせることができる。サーブレシーブがきれいに返ってしまうと、どこからでも打ってこられるので手の施しようがない。

 逆に日本がサーブレシーブをちゃんと拾って、いいコンビで攻撃しても、ブラジルのブロックとディグの関係が組織的にしっかりしていて、簡単には決めさせてくれない。

 やっぱり『4つの世界一』、目標には達成できていなかったかなと思います。

 もうひとつ、ナタリア(・ペレイラ)のフェイントに対応できなかったのが気になりました。韓国戦でもフェイントにやられていましたよね。ここはすぐに修正してほしい」

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