次戦は五輪連覇のブラジル。日本女子バレーに王者を上回る武器はある? (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by AFLO

――試合全体を振り返ってもらえますか。

「サーブもさえて、木村、迫田、田代が相手の守備を崩していました。そこはよかった。相手がカメルーンなので一概には言えないですけど、韓国戦に比べれば効果的だったと言えるでしょう。

 さらに、後から入ってきた田代、山口、迫田がしっかり仕事をしていたことと、長岡がこのチームの大黒柱として『上げれば決めてくれる』という活躍をしてくれたことが今日の収穫ですね。ひとりでも好調でいてくれる選手がいる安心感は大きい。パスヒッター(レセプションと攻撃を担当する)はサーブで狙われるので、どうしても体勢を崩して打つことが多いのですが、ポイントゲッター(攻撃専門のポジション)の長岡があれだけ決めてくれると、セッターも余裕を持ってトスを上げられますね」

――次は2008年、2012年と五輪2大会連続の覇者であり、地元のブラジルです。

「自分たちのやるべきことに集中してやるしかない。間違いなく格上のチャンピオンチームですから。とはいえつけいる隙はないわけではない。

 日本の粘りのバレーと、日本にしかできない、ブラジルがイライラするようなブロックアウトだったり、プッシュだったり、技を駆使したいところ。粘ってつないで、どんな形でも1点につなげるバレーをしていけば勝機は見えてくると思います。そのためには今日以上に全員が最高のパフォーマンスをすることが必要です。個では絶対に対抗できないので、チーム力でブラジルを上回ること。それを期待しています」

 格下のカメルーン相手に、各セットともカメルーンにリードを奪われるシーンがあったりと思わぬ接戦になったが、眞鍋監督は戦術的に12名全員をコートに送り出し、チーム全体のコンディションをアップさせたうえで、勝利を収めた。次は優勝候補のブラジルとの対戦(10日22時35分、日本時間11日10時35分)だが、怯むことなく立ち向かってほしい。


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