石川祐希、再びイタリアへ。「海外でプロになるのも道のひとつ」 (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  坂本 清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi


 ラティーナとは今年の3月、学生選抜で遠征したときに親善試合を行なっており、知っている選手やスタッフもいるという。チームも今季は長らくイタリア代表で活躍したアレッサンドロ・フェイを獲得するなど、積極的に上位を狙っていくようだ。

 もうひとつ、前回と異なるのが滞在期間。といっても現段階ではほぼ同じで、インカレ終了後から3月いっぱいの3ヶ月間なのだが、今回はこの期間が過ぎても、石川が望めばリーグ終了まで滞在を延ばすことも協議するという。これは大きい。

 考えてみてほしい。たとえばVリーグで、開幕2ヶ月後に加入して、プレーオフが始まる前に離脱するという選手をメインで起用することができるだろうか? しかも、貴重な外国人枠を使ってまで。この件は以前、石川本人にもぶつけたことがあるが、困惑した表情で、こう答えた。

「そうですね......。でも帰国の時期については、自分ひとりで決められることではないんです」

 前回のイタリア挑戦から帰国後に、そのシーズンのMVPが石川選手と同じ19歳(当時)のシモーネ・ジャンネッリで、石川と同じくレギュラーラウンドは出場機会が少なかったが、プレーオフから活躍し始めたということを告げた。石川は「そうですか......」とだけ短く答えて、いろいろと考えているようだった。

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