若きエース石川祐希、柳田将洋、東京五輪に向けて「海外へ出でよ」 (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 もうひとりの若きエース、20歳の石川祐希は2日の豪州戦で右足首を痛め、その後は試合に出場できなかった。昨年のワールドカップ(W杯)で活躍した石川、柳田だが、対戦国は当然、このふたりを研究し、日本の弱みをついてきた。若手にはマークをはね飛ばす、経験やタフさはなかった。

 試合に出なかったというのに、石川はミックスゾーンでこの日も十数人のメディアに囲まれた。嫌な顔ひとつせず、同じような質問に真摯に答え続ける。

――どんな大会でしたか?

「悔しい結果に終わりました。でも、これから自分が成長していくためには、必要なことが見つかった大会だったかなと思います」

――東京オリンピックに向けては?

「もっともっと、ひと回りもふた回りも成長していきたい。4年後だけじゃなく、1年、1年、課題を持ってやっていければいいのかなと思います」

 昨年のブラジル修行などで世界の厳しさを知るベテランの苦労人、福澤達哉は自身のパフォーマンスに落胆しながらも、若手にエールを送った。

「どうしても日本チームというのは、海外の高さ、スピードに慣れないといけない。こういう国際大会と国内リーグとは別ものです。いまの若手選手は能力が高いですけど、勝負どころでは経験の部分だったり、慣れの部分だったりが、そこが一番大きな差になってくるのかなと思います」

 リオ五輪の出場権を逃した責任を痛感していた清水主将もこう言った。 

「もっと、いろんな経験をしていきたい。日本人だけで試合をやるのではなく、日本チームとして海外のチームともっと試合をしたり、海外でプレーしたりというルートを増やしていけば、日本はもっと強くなっていくと思います」

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