男子バレー五輪消滅。圧倒的な体格差を埋める方法はあるのか? (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  中村博之/PICSPORT●写眞 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 昨年のワールドカップで20年ぶりに6位と善戦し、若手選手のユニット「NEXT4」が大ブレイクした全日本男子バレーボールチーム。最終予選での五輪出場規定も前回の「参加8カ国中最上位及びアジア最上位」から、「アジア最上位及びそれ以外の上位3カ国」と変わり、枠が増え、リオ五輪出場には明るい前途が開けていると期待が高まっていた。

 だが、OQTはここまで初戦ベネズエラに3-1で勝利しただけで、その後4戦は全敗。獲得したセットはわずか4。残り2試合を残しての出場権消滅となった。前回のロンドン五輪OQTのときは最終日まで可能性は残っていた。今大会は勝利したベネズエラ戦も含めて、全試合で第1セットを落としている。また、途中までリードを奪ったり、先にセットポイントをとってから逆転されてしまうことが多々あった。

 ここまでを振り返ると、南部ジャパンにとって一番の誤算は第2戦の中国戦だった。開催国特権で指定できる2試合のうち、ふたつ目が中国。つまり、参加国の中ではベネズエラに次いで「勝ちやすい相手」と見ていたわけである。

 中国は昨年のワールドカップには出場していない。2014年のアジア大会では日本が勝ち、2015年のアジア選手権では負けている。ただ、アジア選手権には石川祐希が帯同していなかった。その分の「上積み」があるとにらんでいたのだろう。

 また、アジア選手権とOQT初日の中国は、ミドルブロッカーの攻撃を多用しており、日本はそれに対してコミットブロック(トスが上がる前に跳ぶ)につく指示を出していた。だが、中国はその裏をかいてきた。第1セット、ミドルブロッカーの攻撃はゼロ。中国のミドルに常に1枚はブロックがつく日本はサイドのブロックが1枚以下になり、サイドからいいように得点された。

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