サオリンとエリカ、新旧主将の絆で女子バレー五輪予選は連勝スタート (3ページ目)
眞鍋監督の「ラブコール」を受けての代表カムバックである。よくぞ、ここまで体力を戻したなと思う。持って生まれたからだの丈夫さとガッツゆえであろう。
カザフスタン戦の朝、2歳の愛娘とテレビ電話で話をした。荒木が照れる
「会話にはなっていません。保育園で習ったお歌をいろいろ歌ってくれます。ははは。励みにはなります」
笑顔には母親の幸福感が漂っている。
「娘や家族からもらうエネルギーってすごく大きいですし、オン、オフの切り替えがつきやすくなりました。以前は、ずっとバレーボールのことばかり考えていましたが、いまは娘がいますので、生活にメリハリがつきやすくなりました」
会場のスタンドには、<パワフル・ママ!荒木絵里香>と描かれた横断幕もあった。ポイントを決めると、「エリカ・コール」が鳴り響く。この緊張感、高揚感がたまらない。
コートでは全力プレーに徹し、トレードマークのガッツポーズでチームを盛りたてる。正直、まだ移動攻撃はセッター宮下遥とコンビが合ってはいないけれど、迫力あるブロックは健在である。特に大事な場面で、ブロックを1本、とってくれる。
順当に2連勝スタート。
「今日(カザフスタン戦)は個人的にはパッとしなかったんですけど、チームとしてはいい形で勝てたのはよかったと思います」
これからが本番である。17日にはアジアのライバル韓国と対戦する。ターゲットは大エース、192cmの金軟景(キム・ヨンギョン)。荒木の言葉にも力がはいる。
「次の韓国戦、何が何でもオリンピックにいくという気持ちをぶつけたい。リオの切符を獲るためにチーム一丸となって必死になって戦っていきたい」
チーム一丸、そう、左胸の<こころはひとつ>と同意である。
「震災で大変な方がいる中で、自分たちがこう、バレーボールができる幸せを感じています。(被災地の方に)少しでもエネルギーを受け取ってもらえるようにがんばりたい」
大事な試合になればなるほど、勝負の怖さを知るベテランの味が必要になってくる。沙織と絵里香。チームひとつになれるか、新旧主将の真価が問われることになる。
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