【男子バレー】リオ五輪出場のカギを握る石川祐希、柳田将洋のいま (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

 確かに、石川が参加した最初の合宿で彼に「別メニューだけど、心配はないか」と聞くと、「やろうと思えば、(サーブやスパイクも)やっちゃえるんですけど、そこは監督と相談しながら、無理をしないようにしています」というコメントが返ってきた。

「勝ちを求めていかないと、とは思っているので、OQT(世界最終予選)に向けて意識を上げていきたい。キックオフミーティングで、Cパス(セッターが大きく動かされるサーブレシーブ)のときのスパイク効果率がよくないという指摘をされた。自分の中では、Cパスのときも(強引に)打ちにいっていたイメージがあるので、考え方を広げて、プッシュやリバウンドなどを取りにいくことも選択肢に入れたい」

 4年前の最終予選はテレビでも見ていなかった。「高校生の時とかも、全日本の試合はついていれば見てたと思いますけど、オリンピックがかかっているとか、世界選手権を意識していたわけではなく、あっ、全日本とどこかがやっている、という軽い気持ちでした。あんまり『この場に立ちたい!』という気持ちはなくて、ただ、自分は目の前の試合に勝ちたいと思ってやってきたのが、今につながっています」

 久しぶりのスパイクでは、やはり最初のうちは感覚がつかめなかったという。しかし、それでも試合中に何とか感覚を取り戻し、次のセットからは対応できるようになった。

 アジアで首位を争うときの壁、イランについても「(2014年の)アジア大会でやったときは、ふつうに負けてしまったけど、昨年のワールドカップでは差が縮まったと思う。だから、あのとき出た課題を日本がひとつずつつぶしていければ、勝つことができると思います」

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