NEXT4柳田将洋は? Vリーグを戦う「全日本戦士」のいま (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  中崎武志●写真 photo by Nakazaki Takeshi

 試合後は人目もはばからず涙を見せた柳田だったが、会見ではしっかりとひとつひとつの言葉をかみしめるようにコメントした。

「5セット目の中盤、コートチェンジをする前ぐらいから、うまくいけば自分に最後の場面でサーブがくるかなと思い始めていたので、実際回ってきたときには気持ちが高ぶって、そこからはもう思い切りいきました。今日はサントリーのチーム力で勝つことができて、本当にうれしいです。1、2セット目は勝ちたいという思いで前のめりになっているように感じたので、自分が入るときは、周りがふざけてるんじゃないかと思うぐらい笑ったり、少し変な言葉をかけて周りを笑わせたりして、ちょっとみんなの気持ちがほぐれるような振るまいを意識しました」 

 翌週21日は、パナソニックにフルセット勝利して勢いに乗る堺に敗れたものの、22日はFC東京に快勝。これでサントリーは最下位脱出に成功した。

 一方、全日本のレギュラーメンバーを3人(清水邦広、深津英臣、永野健)抱えるパナソニックは、開幕戦を相性のいい東レに3-1で勝利した。しかし、翌週は昨年の覇者JTにフルセットで敗れ、その後も勝ち負けを繰り返して現在のところ4勝3敗で、ポイント数で2位に。エース清水はアタック決定率では日本人トップの4位、決定本数でも日本人トップの5位につけるなど意地を見せている。

 他に全日本代表組で目を引くのは、ジェイテクトの浅野博亮。サーブレシーブ成功率ランキングで、各チームのリベロがずらりと並ぶ中、67.2%で4位。昨シーズンは高橋和人(ジェイテクト)にサーブレシーブをカバーしてもらって攻撃型レフトとして活躍していたが、今年度全日本に初選出されて意識が変わった。

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