【男子バレー】石川祐希の急成長で、W杯後半戦に手応えあり! (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本 清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

「イタリア遠征の間は、監督やコーチからいろいろな指示が出て、少し考えすぎてしまったかなと。もちろん(自分のプレーを)良くしてくれようとして指示してもらえたのですが、ポーランドに移動したときに、あまり考えすぎず、何か言われても自分のスタイルを貫くようにしたら、調子を取り戻せました」と石川本人はマイペースを強調。

 初戦のエジプト戦(9月8日、3-2で勝利)では石川はチーム最多の24得点を挙げてMIP(視聴者投票による最優秀選手)を獲得。もちろん、そのデータを強豪国が見逃すはずがなく、次の日のアメリカ戦(9月9日、1-3で敗戦)ではサーブ95本の内32本を石川に集められた。通常なら別のコースを得意としている大会屈指のエース、アンダーソンも、すべて石川を狙ってきたのである。日本はリベロの永野健(パナソニック)がレセプション(サーブレシーブ)範囲を広くとったり、石川が後衛の時に崩されると、守備の良い米山裕太(東レ)に交代するなどしてしのいでいるが、石川が下がると攻撃枚数が減ってブロックの的が絞られ、清水邦広(パナソニック)や柳田も攻め急いで、スパイクをシャットアウトされたり、アウトにするなど苦しい展開となった。

「諸外国が、強豪になればなるほど石川や柳田をサーブで狙ってくることはわかっています。でも、ここで彼らを出し続けなければ、日本に未来はない。我慢強く起用し続けていきたいと思っています」と南部監督は胸の内を明かす。

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