【女子バレー】リオ五輪出場権獲得へ、カギを握るのは古賀紗理那 (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本 清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

 木村は「紗理那は紗理那なので、私2世と言われて、かわいそうだなと思いますけど、若手なのにいろんなプレーがしっかりしていて、頼りになる存在ですね。一緒にレセプションをする選手ですし、コートの外でもなるべくコミュニケーションをとるようにしています」とコメント。実際に“ヒロインインタビュー”を受けている古賀をバボちゃん人形で隣から突いたり、ミックスゾーンでも取材を受ける古賀を、パネルの陰から何度ものぞき込んでいじったり、仲むつまじい様子がうかがえた。

 古賀が思った以上に“使える”ことがわかったのはよかったが、もちろん主将の木村の復活も“3連勝”の必要条件となる。大会前には、ロングヘアをばっさりと切って周囲を驚かせた。「みんなが思った以上のリアクションをしてくれて満足です。そういえば、髪を切ったおかげでスッキリして身体が軽いかも?」。その言葉通りか、難敵ロシア戦(8月23日、2-3で敗戦)では体重を乗せたスパイクでコースを打ち分けて連続得点するなど、ロンドン五輪の頃のプレーが復活しつつある。なかなか調子が上がらず苦しんだワールドグランプリでは、ラリー中にスパイクを打つ助走を、早く入りすぎてベストの体勢で打てていなかったのを修正したのが功を奏した。

 残り3戦、ランキング23位のアルジェリアにはほぼ勝ち点3を見込めるが、同1位のアメリカ、同3位の中国との対戦では、木村と古賀の両エースがフル回転して初めて勝機が見えてくるだろう。今大会でアメリカも中国も1敗ずつしており、つけ込む隙は十分にある。9月1日に21歳の誕生日を迎えたセッター宮下遥(岡山)の「死んでもいいと思ってやる」の言葉通りに食らいついていきたい。第9戦は4日、舞台を名古屋に移して行なわれ、日本はアルジェリアと対戦する。

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