【バレー】創部84年目の初優勝へ。JT栗生澤GMのチーム掌握術

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 木村正史●写真 photo by Kimura Masashi

――昨季の準優勝に続き、首位を走り続けている今季をどう見ますか。

「私見ですが、勝負には二通りの考え方があると思うんです。一つは、自分が何本クイックを決めた、ブロックを止めたという『どれだけ決めるか』という考え方。もう一つは、いかに相手に良いパフォーマンスをさせないようにする『どれだけ決めさせないか』。

 今季サンダーズの数字自体はそんなによくない。サーブとブロックはいいですけど、アタック決定率は決してよくない。でも相手より失点は少ないケースが多かったと思います。ブロックがついたときに無理をして打たないというのもあるし、相手に好きにさせないということでもあります。両チームの実力が拮抗していれば80%しか力を出せなくても、相手が50%だったら勝てるわけで、今季はそれができている。そして越川選手やヴィソット選手は、『勝負所』で得点してくれる。それは数字を一見しただけではわかりませんけどね」

――前回のパナソニック戦後、清水邦広選手が、「JTさんにうちのバレーを全くやらせてもらえなかった」と言っていましたが、まさにそういうことですね。

「そうだと思います。別のある試合では、攻撃のミスがゼロでした。普通あり得ないことなんですけど、こんなところが今季のうちのチームを象徴しているかなと」

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