【男子バレー】全日本・石川祐希がイタリアで日々、成長中 (4ページ目)

  • 中西美雁●文・写真 text & photo by Nakanishi Mikari

 アンジェロ監督は次のように語っていた。

「去年から発足した、チームの若者育成プロジェクトの一環で、GMのサルトレッティが石川祐希を発掘しました。彼はすごく注意深いし、チームに慣れるのもとても早い。ですが、まだ合流して1ヶ月で、ちょうどその時にコッパ・イタリアがあったり、他の試合も混んでいた時期に入ってしまった。さらに祐希にとって、ジムのトレーニングが少ない状態が続いて、なかなか調子を上げられませんでしたが、一段落したので少しずつ彼にチャンスが来ると思います。テクニカルな面については非常に満足しているので、あとは体幹・体力的なところを強化したい」

 彼が最初に石川を見たときの一言も「筋肉が全然ついてないな」というものだった。確かに石川はこれまで身長を伸ばすことを優先して、筋トレを少しセーブしていたところがある。アスリートとしては線が細いのは否めない。

 GMのサルトレッティ(長年イタリア代表で活躍した)も大きな期待を寄せる。

「ジュニアの選手をいろいろと見て祐希を発掘した。日本のテレビ放映権料や日本のスポンサーなどを期待している側面もないとはいえないが、テクニカルな面が一番優先です。祐希を通して若者の育成という面で、日本との関係を強化したかった。彼を獲得できて、少しずつですけども日本の他の若手選手が来てくれたり、つながりが生まれつつある。祐希の存在によって、いろんな可能性が開けてくるのではと思います。」

 後編では、なかなか出場機会を得られなかったことについての思いや、全日本での活動について聞いていく。

(つづく)

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