【男子バレー】南部ジャパン、銀メダル以上の大きな収穫

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

 石川は、準決勝以降スタメンとして定着。準決勝の韓国戦でも、ビッグサーバーの越川と並ぶ時速114kmのサーブで3本のエースを奪った。

 決勝後は「1セット目の終盤までリードしていたのに、自分がシャットアウトされてしまったりと、連続で失点してしまったことが悔やまれます。世界を相手に戦っていくには、細かいところを詰めていかないと勝てない。そう痛感した試合でした」(石川)

 越川主将は「初めて日の丸をつける選手がたくさんいるこのチームで、今大会、決勝のこの試合まで来られたことを嬉しく思っています。ここ数年の日本はアジアでベスト3にも入れないチームでした。イランは世界で通用するチームで、そことある程度戦えたこと、ここまでできたことは、自分たちの成長も期待できるし、今後はイラン以上にも勝てる力をつけていきたい」

予選からずっとフル出場し、多くの試合でベストスコアラーとなった越川をはじめとするベテラン組がいてこそのこの結果だろう。越川のサーブで崩し、トランジションアタック(※)を石川が決めるシーンはその象徴といえる。
※相手スパイクをレシーブして、攻め返すこと

また、南部監督は「イランはやはり何枚も上手だなと感じさせられました。今日の結果が今の実力。ただ、できるだけ多くの若い選手を使って、なおかつ勝利を求められる中でのこの結果はある程度評価できると思っています。必ずこの経験を来年以降に活かし、リオ五輪をつかみ取りたい」と振り返った。

来年9月、日本でリオ五輪出場権のかかるワールドカップが開催される。今大会の経験を糧にして、ひとつでも多くの勝利をつかんで欲しい。

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