【女子バレー】世界最小リベロ、佐野優子。新たな挑戦の地はトルコに

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • アフロ●写真 photo by AFLO

ロンドン五輪3位決定戦。佐野の守備はたびたびチームを救ったロンドン五輪3位決定戦。佐野の守備はたびたびチームを救った ロンドン五輪で28年ぶり銅メダルを獲得したバレーボール全日本代表の佐野優子選手が、トルコ1部リーグのガラタサライ・スポル・クリュビュに移籍することが発表された。ガラタサライはイタリア代表監督も務めるマッシモ・バルボリーニ氏が監督を務め、イタリア代表のロビアンコ、ジョーリ、元キューバ代表のカルデロンらを擁する強豪だ。

 佐野は小学校4年でバレーを始め、元全日本代表の中西千枝子にそのレシーブ力を認められて、1998年にユニチカにレシーバーとして入社。この年にルール改正により新設されたリベロに転向した。身長159センチの佐野選手にとっては、まさに天職となった。2000年にはユニチカ廃部のために東レにチーム全体で移籍する。2002年に全日本代表に初選出され、世界選手権に出場。2003年に移籍を求めて退部したが、東レの同意書が得られなかったため、1シーズンは協会所属として過ごし、ワールドカップに出場した。

 2004年アテネ五輪直前の最終予選でベテラン成田郁久美にポジションを奪われ、出場はならなかった。この場面はテレビでも放映され、佐野は大きなショックを受けた。

「でも、そのままやめるのはあまりにも悔しくて」、佐野はフランスのRCカンヌに移籍した。聞いていた条件と違い、リベロには別の選手も登録されていたが、ポジション争いに勝ち欧州チャンピオンズリーグに出場して、ベストリベロ賞を獲得。移動のバスの中でもフランス語の辞書を片手にコミュニケーションを図った。

「レシーブだけだったら勝てる自信はありましたけど、リベロはいろいろな指示を出さなければならないので、言葉を覚えなければと必死でした」

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