【女子バレー】日本、28年ぶりメダル獲得の理由とこれから

  • 松瀬学●文 Matsuse Manabu
  • photo by JMPA

 ただ誤解を恐れずにいえば、眞鍋監督はツイていた。何かを持っていた。世界のトップレベルのブラジル、米国、ロシア、中国はピークを過ぎ、チーム力は停滞していた。五輪の組み合わせ、対戦相手も日本にとって有利な形となった。

 さて、今後はどう強化していくのか。銅メダルはあくまで、金メダルへの過程に過ぎない。やはり大型化は避けられまい。おそらく34歳の竹下は結婚を機に第一線を退くことになるだろう。どうしても新しい全日本セッターをつくらなければなるまい。

 過去、何度もセッターの大型化を図ろうとして頓挫してきた。周りが結果を早急に求めすぎるからだ。ここは試練と受け止め、じっくり育てる覚悟が求められる。

 チームの大型化でいえば、190cm台を並べた韓国という見本もある。木村はトルコのリーグにいって、キム・ヨンギョンのごとく、安定感をつけ、よりたくましくなってくれるはずだ。願わくは、もっともっと海外に挑戦する選手が出てきてほしい。

 銅メダルは、日本バレー復活の契機にすぎない。私見ではあるが、眞鍋監督にもう4年任せると決め、長い目でチーム作りを見守る。どんなことがあっても変えない。協会やファンは辛抱するしかあるまい。

 いまのレシーブ力を維持し、思い切った大型化を図る。やるなら、今だ。苦難は、歓喜の前の陣痛と受け止めるべきだろう。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る