【女子バレー】日本、28年ぶりメダル獲得の理由とこれから

  • 松瀬学●文 Matsuse Manabu
  • photo by JMPA

 五輪代表12選手に帯同していた石田を加え13人。眞鍋監督は「13名プラス、スタッフで一致団結してやったことがメダルにつながった」と喜んだ。

 まさに3年半の集大成ともいえる団結力だった。眞鍋監督は就任時、「五輪メダル」を目標に掲げ、団結を図ることに努めた。コーチ分業制を敷き、ブロック、サーブなど部門ごとにコーチを配置、責任と使命感を持たせた。

 さらにデータバレーは、前任の柳本晶一監督より高度化、精密化された。感情ではなく、データを重視し、たとえば、五輪の選手起用で効果を発揮した。準々決勝の中国戦の江畑の活躍、中道瞳の土壇場でのサービスエース、3位決定戦の迫田の爆発もデータゆえである。

 もちろんエース木村の成長も大きい。技術的にスパイクの幅が広くなったが、それ以上に精神的にたくましくなった。チームとしては、サーブの強化と、ブロックとレシーブの連携。竹下佳江の献身的なトス......。数字をみれば、五輪ではスパイク(参加国中7位)、ブロック(8位)、サーブレシーブ(4位)は悪いが、サーブ、スパイクレシーブ、トスでトップだった。

 いろいろな要素が絡み合い、最後は精神力で結束した。チーム競技とは最後はハートだ。韓国戦の前、眞鍋監督はこう檄を飛ばした。「自分を信じ、チームメイトを信じよう」と。

 ひとつ書いておきたいのは、ロンドンまで帯同してきた10名ほどの練習相手の貢献ぶりである。経費自己負担の男子選手たちもいた。そういった意味では日本バレーの総合力でのメダル獲得といえる。

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