【バレー】五輪出場権獲得にも、突きつけられた厳しい現実 (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

 第1セット立ち上がりは、この日スタメンだった新鍋が2本連続でシャットアウトされたが、荒木絵里香が覚醒。7本打って7本全部を決めた。最後も狩野舞子が打ったサーブがダイレクトでコートに返り、それを荒木がスパイクして終了した。

 2セット目はサーブレシーブが乱れ、中盤で連続して木村がブロックにつかまり、セルビアが21-25でとって、五輪出場権獲得は第3セットに持ち越される。第3セットは中盤で江畑の連続サービスエースがあり、5連続得点した日本が逃げ切って切符を手中にした。

 しかし、ここで緊張の糸が途切れたのか、日本にミスが出始め、第4セット、第5セットは続けてセルビアに奪われた。

「予選1位通過、本戦では金メダル」が合言葉だった日本には、厳しい現実が突きつけられた。快勝できたのはペルー、台湾、タイの格下国だけ。オリンピックに出場する3国には全て敗れている。

 このような結果となった原因を、眞鍋監督は「これは私の反省ですけど、選手にも1位通過、1位通過とかなりプレッシャーをかけていました。それを一番反省しています。7試合を振り返りますと、かなり試合中選手が萎縮している、日頃の動きの50%しか動けていなかったと思います」と分析する。確かにそれも一因だろうが、予選でここまでのパフォーマンスしかできなくて、どうしてよりいっそうプレッシャーのかかる五輪本戦で金メダルを狙うことができるだろうか。

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