【バレー】ミス多発で完敗。韓国戦で見えた「日本の生命線」

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • photo by Tsukida Jun/AFLOSPORT


「日本の守備をビデオで研究した。みんなよくレシーブした。チームメイトのおかげです」

 勝負どころは第3セットだった。日本は、6-6から金軟景にスパイクを豪快に決められ、木村が相手のブロックに阻まれた。再び、金軟景にスパイク得点を許し、主将の荒木絵里香がスパイクミスを犯した。

 連続4失点で、あとは後手後手を踏む。リードされるから、サーブがいつものように思い切り打てない。緊張か焦燥か。どうしてもプレイが委縮する。ミスを連発する。流れは完全に韓国に傾いてしまった。

 要はプレイの精度と勝利への執念の差だった。日本のもうひとりの得点源、江畑幸子の言葉が印象的だった。

「韓国の粘りがすごかった。スパイクがなかなか決まらないので、ジタバタしてしまった」

 日本は悪循環をたどる。よく見れば、とくにサーブとサーブレシーブの差である。サーブレシーブでも木村はミスを重ねた。目立たないけれど、金軟景はほとんど完ぺきなサーブレシーブを返した。うまい。あまり知られてないけれど、実は金軟景は身長が急速に伸びる前の中学時代、リベロもやっていた。

 セッターの竹下佳江は嘆く。

「ミスが多くて残念です。すべて相手ペースで展開したのが敗因だと思います」

 エースだけではなく、21歳の金姫真(キム・ヒジン)にも強打を許した。サーブが弱く、ブロックシステムも崩れたからで、日本はまず、サーブとレシーブ、そしてブロックシステムを立て直さないとならない。

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