大坂なおみに突如襲った第3セットの乱調。「硬くなってしまった」のは、実は根深い問題だ (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

ふとこぼした偽らざる言葉

 だからこそ今季の彼女は、「安定して試合に出ることが目標」と明言したが、「出る大会は絞っていく」という方針は変えない様子。

「もっと試合経験が必要」と思いながらも、同時に「オフコートでの活動も大切」と感じているとも言った。

 ふとこぼした、「何が理想の年間予定なのかは、まだわかっていない」のひと言が、つまりは偽らざる現状なのだろう。

「全豪オープン以降初めての、とても大切な試合。自分にとってテストだと思っていた」というスティーブンス戦の勝利が、価値ある前進なのは間違いない。ただ、大会数の少なさから来る「硬さ」を彼女が襲うのは、慣例的に見ても3〜4回戦あたりだろう。

 大会前の会見で大坂は、「私はいつも楽しむのが目標と言ってきたが、今は本当に楽しめている」と笑った。

 その言葉の真意を周囲が、そして彼女自身が知るのは、もう少し先になるだろう。そして何より重要なのは、仮に早期敗退となったとしても、その敗戦を淡々と受け止め次の大会に向かうことだ。

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