錦織圭も認めたリアル「テニスの王子様」は、空手でも全国制覇した実力者だった (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 長く伸ばした髪を揺らし、茶目っ気たっぷりに彼は笑った。

 テレビ等での露出が増えると、「そんなことをしているから上にいけないんだ」という声も耳に入るが、堀江は気に留めはしない。芸能活動は「リフレッシュ」の時間であり、テニスや学生生活にも好影響を及ぼすからだ。

「悪影響はまったくないですね。テレビに出てインスタのフォロワーが増えた時が、テニスの成績も一番よかったですし。応援してくれる人がいるんだから、もっとがんばらなくちゃと感じます。スポーツ選手は大舞台に立ちたい気持ちが強いので、その意味でもがんばれると僕は思います」

 現在の堀江はコーチら周囲の支えもあり、フロリダ州の4年制大学に転学してリーグ戦で活躍。フィジカルも強化され、18歳の時に比べて10キロ近く体重も増えた。戦果が認められ、この秋からはワイルドカード(主催者推薦枠)を得て、プロツアーの下部大会にも参戦していく。

「9月からは、芸能活動はまったくできないと思います。ここで結果が出せれば、上のレベルの大会にも挑戦したい。今はテニス一本で勝負に出ようかなと」

 芸能活動に、やりがいは感じている。ただ、やはり彼のなかで「テニスでの活躍が一番かっこいい」という大前提はゆるがない。

 将来的な目標はもちろん、ATPツアーやグランドスラムでの活躍。同時に彼には、もうひとつの大きな夢もある。

 それは、日本でのテニス人気を上げること。

「そこは一番ありますね。錦織さんクラスまで行ったら多くの人が見るでしょうが、200位、300位の選手だって試合のレベルは高いし、見たら面白い。グランドスラムの序盤や予選にも、みんなが見たいと思う選手がいたら、テニス界の状況も広く知ってもらえると思います。なので、そのレベルまで早く行きたいです」

 テニスと芸能活動の両立は、その夢を実現するための足がかり。多彩な経歴で心技体に磨きをかけ、堀江亨は「華やかな世界」を目指す。

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