錦織圭、全米OP3回戦進出。「吹っきれた」ファイナルセットでの勝因 (3ページ目)

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by AP/AFLO

 今回のUSオープン2回戦での対決は、共にケガを乗り越えて、グランドスラムやツアーで上位を目指す2人が勝利を渇望しながら力を出し切った結果が、3時間57分におよぶ接戦になったという見方もできる。ちなみに、これで錦織の5セットの成績は、27勝7敗、勝率79.4%で、依然として勝率トップを維持している。

 3回戦で錦織は、第1シードのノバク・ジョコビッチ(1位、セルビア)と対戦する。これまでジョコビッチとの対戦成績は、錦織の2勝17敗(錦織の棄権負け2回含まず)で、錦織の16連敗中(錦織棄権負け1回含まず)。錦織の勝利は、2014年USオープン準決勝まで遡らなければならない。直近では、7月に東京オリンピックの準々決勝で対戦し、2-6、0-6で錦織が敗れている。

「彼(錦織)は、自分が見てきた中で、最も素早く動けて才能のある選手の1人。自分としてはいいサーブを入れて、少しペースを落とすのを試みるのが大事。彼はベースライン付近で、ボールを早いタイミングで打つのが好きだからね」(ジョコビッチ)

「彼が一番優れているのはボールをコントロールすること。両サイドどこからでも打つことができる。サーブもいいし、ツアーでベストリターンを打って来る。他の選手と比べてミスも少ない。我慢強くプレーしなければいけないし、攻撃的にプレーしないといけない」(錦織)

 少し気になるのは、2回戦で見られた錦織の左わき腹に施したテーピングだ。錦織が100%で臨んでも、勝てるかどうかわからないのがジョコビッチという存在。

「自分のベストを尽くす」と語る錦織だが、少ないチャンスを逃さずにゲームを取りきり、ジョコビッチに少しでも揺さぶりをかけながら勝機を見出したい。

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