錦織圭、全米OP3回戦進出。「吹っきれた」ファイナルセットでの勝因

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by AP/AFLO

 グランドスラムの今季最終戦・USオープンの2回戦で、錦織圭(ATPランキング56位、8月30日づけ/以下同)は、マッケンジー・マクドナルド(61位、アメリカ)を、7-6、6-3、6-7、2-6、6-3で破り、2年ぶり8度目の3回戦に進出した。

前哨戦で負けた相手にフルセットで勝ちきった錦織圭前哨戦で負けた相手にフルセットで勝ちきった錦織圭 ファイナルセットのカムバックは、錦織らしく勝利できたのが最大の収穫と言える。ただ、ストレートで勝てた試合だったとも言える。

 第1セットはお互い2ブレークでタイブレークの末、錦織が先取。マクドナルドは、第10ゲームで0-40として3回のセットポイントがあったが、大事な場面になるとメンタル面の影響からか、動きが少し硬くなりチャンスを逃した。

 一方錦織は絶好調というわけではなかったが、グランドストロークの調子はよく、マクドナルドにサービスブレークを許す場面があっても決してあわてず、第2セットも奪った。第3セットも錦織が先にブレークに成功したが、ブレークバックを許す展開に。それでも錦織は5-4の場面で、サービングフォアザマッチにこぎつける。しかし、第10ゲームで錦織は3本連続でミスをして、ラブゲームでブレークを許してしまった。

「自分のプレーがちょっと消極的だったと感じました。ちょっと彼のプレーに押されてしまったところもありましたし......。もちろん取れていれば、もうちょっと楽に終わったので。これがやっぱりテニスの難しいところと感じました」

 これでマクドナルドが息を吹き返し、拙攻はあるものの2セットオールに持ち込んだ。

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