錦織圭「あ、負けるな...」からの逆転劇。あきらめた時に割り切ったこと

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「僕のリターンもシャンク(当たりそこない)気味だったので、ちょっと満足のいくマッチポイントではなかった」「反省点は、あげればキリがない」

 勝利にもかかわらず、試合後の会見室には、もどかしさを示す錦織の言葉が並ぶ。

「正解は、自分のなかでなんとなくあるんですが、それを毎回はできないというか。テニスは身体と気持ちを一緒に動かさなくてはいけないので、そこが最近とくに思いますね。やっぱ、テニスって大変だなって」

 31歳を迎えた苦労人との4時間の戦いを終え、半年前に31歳になった錦織が朴訥な語り口でしみじみと言った。

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 ケガやコロナ禍によるツアー離脱からの復帰以降、いいプレーができている時もあるが、それが長く続かぬもどかしさを感じながらの戦いだという。完全復活への道のさなかにまだいる彼は、テニスと真摯に向き合いながら、次の勝利を、そして答えを求めて、2回戦へと歩みを進めた。

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