大坂なおみが成し遂げた3人目の偉業。レジェンド選手たちに並んだ勝負強さ (2ページ目)

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by AAP/AFLO

「彼女(大坂)は、必要な時にいいショットを打って来た。すごく攻撃的で、いいパフォーマンスでプレッシャーをかけてくる。これはどの選手にもできることではない」

 このように振り返ったブレイディに対して、大坂はラリー戦で深さや角度を駆使して好機をうかがいながら打ち合った。無理を強いられるプレーが多かったブレイディは31本のミスを犯し、最後まで大坂のテニスを崩すことができなかった。

「パンデミックの中、グランドスラムでプレーできてうれしかった。(全豪で2回目の優勝ができて)穏やかな気持ちです」

 こう語る大坂は、以前とは目標設定が変わり、今は自分のためだけでなく、一緒に戦うフィセッテコーチ、中村トレーナー、茂木トレーナー、いわゆる"チーム大坂"のために勝ちたいという気持ちになっている。

 大坂と茂木トレーナーは2018年からの付き合いだが、大坂によると茂木トレーナーは、とても穏やかな人で泣き上戸らしい。買い物仲間でもある。フィセッテコーチと中村トレーナーとは、昨年の新型コロナウイルスの感染拡大によるツアー中断中や、昨年末のオフシーズンに、ロサンゼルスにある大坂の自宅でともに過ごし、厳しいトレーニングを積むことで仲間としての絆が深まった。

「(以前は)私は歴史を作りたかった。日本人初のグランドスラム優勝者になりたかったし、それが私の目標だったと思う。トロフィーや壁に自分の名前が刻まれているのを見るのはうれしいけれど、(今は)それより大きなことがあるように思います」

 大坂は自分自身を、"チーム大坂"の"器"に見立てている。みんなが自分を勝たせるためにやってくれているサポートに報いるため、選手としていい結果を残し、チームみんなの努力を具現化していくのが役目。大坂はチームの成果が結集される"器"になり、いい結果が生じてチームのみんなが笑顔になることに、より大きな意味を見出しているのだ。

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