錦織圭、全豪前に難局。コロナ隔離後アスリートに生じるリスクとは (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 ケガを懸念する声は、当然ながら隔離中の選手やそのコーチたちからも上がっている。ダニエル太郎はトーナメントディレクターとのミーティングの際に「男子も最大5セットから3セットマッチに変えてはどうか」と提案したが、「グランドスラムの伝統は変えがたい」と却下されたという。

 その代わりにテニスオーストラリアは、ATPカップを含む男子の前哨戦3大会の開幕を1日遅らせることに。女子は当初予定していた2大会のドローを縮小し、開催時期を遅らせた3つ目の大会を新規に開催することを決めた。

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 冒頭に触れた動画のなかで、錦織は「2週間じっとしていたあとにテニスの試合をするということはリスクしかないのですが、まあしょうがないので、前を向いて毎日を過ごしていきたいと思います」と複雑な心境を明かしている。

 出場予定のATPカップ(2月2日〜2月6日)まで、隔離明け後の練習日は2日ほどしかない。昨年10月に肩を痛めて実戦を離れていた錦織にとって、新シーズンはケガのリスクと試合感覚を天秤にかけながらの幕開けとなりそうだ。

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