石井琢朗の娘と久保竜彦の娘がテニス・ダブルスでコンビを組んでいた (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by YONEX

 それでも、アスリートの本能が今も彼女の中に息づいていると感じたのは、試合会場内の売店について、久保が言及した時である。

「試合の前は絶対に揚げ物は食べないんですが、ここは揚げ物しかなかったので」と言って浮かべる苦笑いに、父の薫陶がにじんでいた。

 ダブルスパートナーであり、愛媛大会のシングルスを制した石井は、久保にとって「自分もがんばらなくちゃ、と思わせてくれる選手」だという。

 その石井は、自分の未来に「グランドスラムで活躍する選手になりたい」と迷いがない。

 一方の久保は「今は、プロになるとかは考えてなくて。身体を頑丈にして、どこまでやれるかという感じです」と言った。

 この数年、ともに歩んできたふたりの足跡は、今後も重なっていくのか、それとも......?

 各々が信じる道を進んだ先に、答えは自ずと待っているはずだ。

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