花の都パリに美女降臨。全仏OPを彩った「ファンタスティック・フォー」 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

カミラ・ジョルジ(イタリア/Camila Giorgi)
1991年12月30日生まれ(28歳)身長168cm

 カミラ・ジョルジがウインブルドン4回戦に進出し、可憐な容姿も相まって一躍人気者となったのは20歳の時。それから8年経った今も、その美貌は過ごした年月により磨きがかかり、深みも増した感がある。

 均整の取れた立ち姿をさらに引き立てるのが、その道のプロである母親がデザインしたテニスウェアだ。ボディラインを強調するように身体にフィットしたウェアは、彼女の華やかさとアスリートとしての強さの双方を引き立てる。

 5歳でテニスを始めたジョルジの才能は、幼い頃から多くの関係者や著名コーチの目に止まったという。ただ、フォークランド紛争を戦った退役軍人の父親とともに、アルゼンチンやイタリア、アメリカを転々とした幼少期は、決して楽なものではなかったようだ。彼女のどこか陰のある儚げな美しさは、そのような生い立ちが醸成しているのかもしれない。

 コート上の彼女の姿は、まさにファイターといった趣きだ。いかなる状況やポジションからでも、全力で振り抜きエースを狙うのがジョルジのテニス。つなぎのボールや、駆け引きなどはお構いなし。

「ネットの向こうに誰がいるかは関係ない。私は常に、自分のプレーを貫くことだけに集中している」という信念が、超攻撃テニスに一本の芯を通している。

 昨年はケガでランキングを落としたが、一撃必中の強打は依然健在。エースとエラー、華麗と陰り......内包する種々の魅力を光らせて、彼女はコート上で艶やかに輝く。

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