2020.09.05

大坂なおみ「今の私は違う人」。
抗議行動もモチベーションにつなげている

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by Reuters/AFLO

 コスチュクは、フォアもバックもグランドストロークを果敢に打ち、これが功を奏し第7ゲームで初めてサービスブレークに成功。コスチュクが5-4で迎えた第10ゲームでは、コスチュクのプレーがやや硬くなったのを大坂が見逃さずに、得意のフォアをダウンザラインへ決めてブレークバック。お互いワンブレークでタイブレークに突入した。

 大坂は2-0とするが、4ポイントを立て続けに落とすと思わずラケットをコートに投げつけた。そのまま悪い流れは変えられず、コスチュクが2回目のセットポイントを取ってセットオールに持ち込んだ。

 ファイナルセットは第4ゲームで、0-40と大坂が最大のピンチを迎えた。しかし、コスチュクはリターンエースやストロークウィナーを強気に狙いにいく半面ミスも多く、結局大坂が5回のブレークポイントをしのいでサービスキープに成功。

 このチャンスを逃したコスチュクにはプレーを立て直す気力は残っておらず、大坂がこの第4ゲームから一気に5ゲーム連取で勝負を決めた。

 コスチュクは、大坂の30本より多い36本のウィナーを決めたが、51本のミスは多すぎた。22歳の大坂が、18歳のコスチュクを最後に突き放せたのはやはり経験の多さの違いだろう。大坂には2度グランドスラムで優勝し、世界ナンバーワンも経験している矜持がある。

「ツアーでプレーするからこそ学べることがあり、試合をするからこそ学べる何かがあると思います」

 こう語った大坂は、いずれコスチュクも自分のように世界のトップレベルへ駆け上がってくるだろうと予見する。