大坂なおみ「プレッシャーを感じていた」。土居美咲に苦しめられたプレーとは? (2ページ目)

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by Reuters/AFLO

 ただ、前哨戦で痛めた左足のハムストリングの影響がどのくらいあるのかという不安要素を抱えていた。この試合では、テーピングもサポーターもしていなかったので、プレーにそれほど大きな影響はなかったようだが、試合後に大坂は、「試合中に、ゆっくりだけど少しずつ悪化していました」と吐露。今後の試合でも適切なケアが欠かせない状況だ。

 USオープンのセンターコートであるアーサー・アッシュスタジアムで行なわれたこの1回戦が、無観客試合であったことは周知のとおりだが、今回のUSオープンは、それだけでなくまさに異例づくしの開催となっている。

 アメリカでは新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が600万人(9月1日時点)を超え、この状況に不安を覚えた多くの選手がUSオープンの出場辞退を表明した。女子では、世界ランキング1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)をはじめ、トップ10選手のうち、6人が欠場となった。

 さらに、大会開幕直前には、フランスの男子選手1人にコロナ陽性が判明して棄権扱いとなり、ニューヨーク衛生局の指導に従って最低でも10日間の隔離生活に入っている。

 大会期間中に選手たちの行動範囲は、会場と選手の宿泊先であるオフィシャルホテル、"バブル"と呼ばれる感染症対策を施した隔離空間だけに制限されている。もちろんマスクも常時着用することが義務付けられるなど、徹底されている。

 会場内で密にならないための対策として、大坂のようなシード選手は、アーサー・アッシュスタジアムの中段にある個室を控室としてあてがわれている。ここは、通常だとVIPやスポンサーなどのために使用されているスイートルームだ。

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