大坂なおみ、恥じらいを感じた初クレー。苦手だからこそ見える成長の証 (3ページ目)
「グリーンクレーとレッドクレーは、まったくの別物。球足は遅いし、イレギュラーは多いし......」
それは単に慣れの問題だけではなく、パワーを利して短くポイントを終えるのを得手とし、代わりにフットワークにやや難があった当時の彼女には、相性の悪いコートでもあった。
希望的観測も含めた予想と現実はけっこう違うぞ......。おそらく彼女はそんな教訓を赤土から持ち帰り、取り組むべき課題をリアルな手触りとともに見出したはずだ。
それからわずか3年後の昨年、大坂はふたつのグランドスラムタイトルを獲得した世界1位として、赤土のコートに立っていた。
全仏オープンを迎えた時点で、3つのクレー大会を戦い、結果はベスト4が一度に、ベスト8進出が二度。キャリアで最も多くの勝利を得たクレーコートシーズンであり、本人も自分の成長を感じながらの戦いでもあった。
「スライディングの上達」と「イレギュラーを受け入れる我慢強さ」、そして「徹底したフィジカルトレーニング」を積んできたことも、自信と好成績の背景にあると明言する。
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