コロナの猛威はウインブルドンにも。中止を決断させた「繊細な」芝問題 (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO


 同大会の中止は、戦後では初の75年ぶり。1877年以降、過去に中止となった例は、第一次世界大戦中の1915年から1918年、そして第二次世界大戦中の1940年から1945年にかけてである。

 新型コロナウイルスの世界的感染拡大は、テニス界にも多大な影響を及ぼしている。

 3月の時点で、すでに"第5のグランドスラム"と呼ばれるBNPパリバ・オープン(インディアンウェルズ)と、それに続くマイアミ・オープンがキャンセルに。その後も次々と大会中止が発表され、ついには5月末開催の四大大会、フレンチオープンが9月への大会延期を発表した。

 そして英国時間の4月1日、ウインブルドンは緊急の役員会議を開き、今年の方針を話し合う。この時点ですでに無観客試合の可能性は排除され、現実的には中止か延期かが争点になったという。

 果たして彼らが出した結論は、中止。これにより同大会は、「最も早く、年内開催はないことを断言した四大大会」となった。

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