テニスのトップ選手のリアルな声。コロナ禍で「どう気持ちを維持すれば...」 (5ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO


 もちろん、今までも年末にオフはあるけれど、それは1年戦い抜いて『やっとオフだー! トレーニングにも取り組める!』という充実感とともに迎えていたんです。でも、今は全然疲れていない。ここからやるぞ、というタイミングでのぽっかり空いた期間は、全然うれしくない。だから、メチャメチャ難しいですね」

 そのように誰もがモチベーションを失いかけるなかで、今年29歳を迎える土居がまず心がけるのは、「維持」だという。

「今はそこまで(状態を)上げすぎないで、日程がある程度、決まってきてから追い込んでいこうと思っています。大会までの期間もそうですが、大会が再開したあとに、どれだけ詰まったスケジュールになるかわからない。なので、今はテニスよりトレーニングに重きを置きつつ、筋力やボールを打つ感覚を落とさないことを一番に考えています」

 毎週のように試合を戦ってきたテニス選手たちにとって、いつ実戦を戦う日が訪れるかわからないなか、モチベーションを維持するのが困難なのは想像に難くない。だが、だからこそ、日々の練習やトレーニングに意義や目的意識を見いだせるか......。その真価が問われもするのだろう。

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