テニスのトップ選手のリアルな声。コロナ禍で「どう気持ちを維持すれば...」 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO


 女子のツアーは1月から10月末、男子ツアーは11月中旬まで毎週のように大会が組まれており、それ以降もITF(国際テニス連盟)主催の下部大会は、世界のどこかで毎週開催されている。そのなかで、どのようなスケジュールを組むかは個々人に委ねられ、選手によってはひと月以上まとまったオフを取らないことも珍しくない。

 それだけに、突如生じたスケジュールの空洞は、選手の心にもぽっかりと穴を開ける。上り調子だった土居にしてみれば、その思いは一層強かった。

「やっぱり、モチベーションを作るのが一番難しいですね。今、何かに取り組んでも、実戦で試せないので......。

 テニス選手って、練習やトレーニングの成果を試せる機会が毎週のようにあるのが、普通の状態でプレーしていた。そのサイクルにある意味慣れているので、『あれ? こんなに長い期間、どうやって気持ちや身体を維持すればいいんだろう』と思ってしまいました。

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