錦織圭も西岡良仁も出場せず。非常事態で露わになったデビスカップの意義 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO


 オリンピックに出るには基本、過去4年間でデビスカップに3回以上出ていることが条件。錦織はすでにこの規定を満たすことは不可能だが、例外処置を申請するうえで今回代表入りしていることは、重要な評価要素になりえるのだ。

 もっとも、たとえ試合に出られなくとも、エースの存在は空気を変える。

 久々に錦織を加えて士気を高めていた日本だが、直近にきて急激に日本チームを揺さぶったのが、新型コロナウイルスの急拡大に伴う、世界情勢の変化だ。日本からの渡航を制限する国が増え、何よりアメリカまでもが、地域によっては過去14日間の日本滞在者の外出禁止を検討しはじめた。

 デビスカップに出場することにより、渡米できなくなるかもしれない----。

 そのリスクは、今回の日本メンバーにとっては致命傷になりかねない。なぜなら3月には、北米のインディアンウェルズおよびマイアミで、グランドスラムに次ぐ格付けの大会が連続で開催されるからだ。

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