全豪で明確化。「大坂なおみ世代」がメインストリームとなった (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 なお、ケニンの早熟さの引き合いとして前出したマルチナ・ヒンギスとは、16歳3カ月の史上最年少で全豪オープンを制した元祖・天才少女。このヒンギスのように10代なかばで頂点を極める選手が昨今いないのは、14歳未満のプロ大会出場等を禁じた「年齢期制ルール」によるところが大きい。

 この制度が施行されたのは、ヒンギスが14歳と2カ月にして年間最終ランキング87位に達した1994年の翌年。以降、ルールは厳しさを増し、現在は14歳のWTAツアー大会出場も禁じている。

 主催者推薦枠など一部の抜け道はあるものの、上限なくすべての大会に出られるようになるのは18歳以降。その現行のシステムからすると、ツアーでの実戦経験を積み、ブレークスルーの時を迎えるのが、早くても20歳前後になるのは必然だ。

 大坂が20歳で一昨年の全米オープンを制して以来、グランドスラム優勝者は全仏優勝者のバーティ(当時23歳1カ月)を含め、3人の若き初優勝者が誕生した。

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