全豪で明確化。「大坂なおみ世代」がメインストリームとなった (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 20歳前後の若きグランドスラム女王の誕生は、ここ1年以上にわたって見られるトレンドだ。

 先鞭をつけたのは、2018年に20歳で全米オープンを制した大坂なおみ。さらにさかのぼるなら、同年3月にグランドスラムに次ぐグレードのBNPパリバ・オープンで、大坂が頂点に立った時だろう。

「ハロー、みなさん。ナオミ・オオサカといいます」の自己紹介から始まる、あまりに初々しいウイナースピーチは、それゆえに新時代の到来と若き世代の息吹を鮮烈に人々に訴えた。

 その姿を日本で見て、衝撃と刺激を受けたのが、大坂より3歳年少のビアンカ・アンドレスク(カナダ)。当時、日本の下部大会を転戦していたアンドレスクは、その1年後には大坂の足跡を辿るようにBNPパリバ・オープンを制し、同年の全米オープンでも頂点に立つ。10代選手のグランドスラム優勝は、2006年の全米を19歳のシャラポワが取った時以来であった。

 この大坂やアンドレスクらの大躍進に、かつての"天才少女"がモチベーションをかき立てられなかったはずがない。

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