西岡良仁はジョコビッチ戦で学んだ。東京五輪へ「ベースアップ」意識 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 また、西岡には東京オリンピック出場への強い思いもある。今回の3回戦進出によって、ATPランキングポイント90点を獲得できたことでその目標に一歩前進した。

「やはりこういうところ(グランドスラム)でしっかりポイントを重ねていくことによって、オリンピックへの道も見えてくる」(西岡)

 オリンピックのシングルスは64ドローで、ストレートインは56枠。各国の出場枠は最大4人という制限があるため、ATPランキング60位以内に入っておくことが一つの目安となるだろう。オリンピック出場者は、6月のローランギャロス(全仏)終了直後のATPランキングによって決定される。西岡は今後、オリンピック出場も視野に入れながら戦うことになる。

 今回の全豪でジョコビッチから再び厳しい洗礼を受けた西岡だが、下を向くことなくその実力差を素直に認め、次を見据えている。

「粘るとか攻めるという以前に、そもそものベースを強くしないと(ジョコビッチには)勝てない」

 こうした西岡の潔い姿勢が、今後さらに強くなるための原動力になるはずだ。まだ時間はかかるかもしれないが、西岡はいま、トッププレーヤーへの道を漸進している。

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