松岡修造が期待する復帰後の錦織圭。
「ゆとり」から生まれる新しいテニス

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi
  • 佐野 隆●写真 photo by Sano Takashi

 国枝と上地のメダル獲得への期待が膨らむなか、東京パラリンピックの開催時には、国枝は36歳になっており、もしかしたら最後のオリンピックになるかもしれない。

「つい1年前、国枝さんには東京は無理なんじゃないかと思われていた中、今はもう1回金メダルを獲れるかもしれないという状態になった。国枝さんの闘志、彼自身ができると思っているエネルギー、それらを持っているのが彼の魅力であり、だから今も勝ち続けているのではないでしょうか」

 リオ五輪では銅メダルだった上地には、東京でこそ、26歳になる彼女が悲願である金メダルを獲得できるのではないかと期待する。

「上地さんが今回の全豪で、どう進化しているのか見たい。でも、彼女はオリンピックで勝つこと、世界ナンバーワンになることを一番に思っていて、そこからの逆算なんですよ。だから、全豪ではいろいろチャレンジしながら負けてもいい。東京で金メダルを獲ることが、ひとつの終着駅と捉えた時、東京では誰もやっていないテニスが彼女には必要なのかもしれません」

 2020年東京パラリンピックで、国枝はシングルで、2008年北京と2012年ロンドン以来、3回目の金メダル奪還を狙い、上地は、初の金メダル獲得を目指す。

 東京パラリンピックへつながる道の序章として、まずは全豪で、国枝と上地がタイトル争いにどのように加わってくるのか、非常に大切な戦いになっていきそうだ。

■番組情報
2020年最初のグランドスラム「全豪オープンテニス」が開幕!
※1月20日~2月2日まで、WOWOWにて連日生中継(大会第1・2日は無料放送)
詳しくはこちら>

◆大坂なおみが新スタイルで挑む全豪OP。「3本目までに主導権」がカギ

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る