松岡修造は大坂なおみの全豪OP優勝を確信。新コーチについても語った (2ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi
  • 佐野 隆●写真 photo by Sano Takashi

 今やランキング上位の選手として相手に研究され、大坂の勢いやパワーが、昨年よりは脅威ではなくなっている部分を指摘しつつも、彼女のさらなる成長を期待している。

「経験と共にテニスはよくなっている。昨年には、崖っぷちのようなメンタルのときもあったけど、それを乗り越えたメンタルの成長を今回の全豪で試合中に見られるか、ですね。

 テニスが常に100%の状態で戦うということは誰でも難しい。だから苦戦を強いられる試合もあるでしょう。そんな中で70~80%のテニスでも勝ち上がれるところを見てみたいです」

 2019年シーズンは、大坂のメンタルにアップダウンがあり、テニスにもムラがあったが、22歳になった大坂は、2020年シーズンをウィム・フィセッテ新コーチと戦うことを決意した。データを駆使して選手と接するフィセッテコーチを、大坂は、尊敬を込めて"プロフェッサー"と呼ぶ。

「大坂さんにとってはいいコーチだと思います。彼女が世界一になるためには、正しい戦術や戦力が必要。フィセッテコーチは、数字や経験を言葉にして具体的に提示できるので、それをいかに大坂さんがインプットできるかですね。

 大坂さんが納得してプレーできている時はいいと思います。ただ、彼女の性格からすると、"言われなくてもわかっているわ"という気持ちになった時、コーチの言葉を素直に受け入れられない時もあるかもしれません。そこで、ただ単に数字で示すだけではなく、大坂さんの感性に近づける接し方ができるかどうか、"マインドプロフェッサー"にもフィセッテコーチがなれるか。それができた時は、とてつもないチームができ上がっていくのではないでしょうか」

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