フェデラーが最前線で感じるテニスの可能性「今後もゲームは進化する」 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 もちろん、そこには錦織も含まれており、フェデラーは、自分より年上や同世代からだけでなく自分より若い選手からも、さまざまなインスピレーションを受けて来た。

「圭も含めて、(自分より年下の)世代が台頭することによって、さらに次を目指したい、できるだけいい選手になりたいという気持ちへ突き動かされます」

 そんな中フェデラーは、今回、東京オリンピックの会場である有明で、オリンピックに出場することを宣言して、日本のテニスファンを喜ばせた。

「絶対行きたいと思っています。これまで数週間にわたって、(2020年の)スケジュールを確認していました。最終的には、4人の子供たちと妻とも確認しました。オリンピックは自分にとって、大変重要なイベントです。2016年は、ひざの状態がよくなくて、リオオリンピックには出場できませんでした。2000年シドニーオリンピックでは、妻(ミルカさん)と共にスイス代表としてプレーした経験もあり、やはりオリンピックは特別なものだと捉えています。自分の健康状態がよくてプレーできるのであれば、(東京オリンピックは)ぜひやりたいことのひとつだと感じているところです。そして、開催される都市である東京で宣言するのが一番だと思って発表させてもらいました」

 錦織は、フェデラーの宣言をどう受け止めただろうか――。

 先日錦織は、そろそろ新しい意見を取り入れる時が来たとして、2011年シーズンからプレーした全大会に帯同してきたダンテ・ボッティーニコーチとの契約を終了させることを発表した。12月に30歳になる錦織は、自分のキャリアの終盤へ向けて何か期することがあるのかもしれない。

 ただし、右ひじの回復は遅れている。復帰予定だった10月21日の週に開催されるATPウィーン大会の欠場をすでに表明。おそらくレギュラーシーズン最後となるマスターズ1000・パリ大会(10月28日~)にも欠場する可能性が高く、現在世界ランキング9位の錦織は、これで年間成績上位8人しか出場できないツアー最終戦・ATPファイナルズ(11月10日~、ロンドン)への出場はほぼ絶望的になった。

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