大坂なおみはメンタル安定。全米敗戦を糧にアジアシーズンで巻き返す (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 大坂が敗れたことによって、女子シングルスでは上位4シードの選手が誰も準々決勝に残れなかった。波乱が続く混戦状態の中、大坂はディフェンドしなければいけなかったランキングポイント2000点のうち240点しか獲得できず、大会後はWTAランキング1位から4位になる予定だ。

 それでも、大坂はシーズン終盤まで続く年間ナンバーワン争いで、アジアシーズンで活躍できれば、日本人初の年間ランキング1位を獲得できる可能性はまだ残されている。

 また、2019年から中国・深センで開催される、年間成績上位8人が出場する女子ツアー最終戦・WTAファイナルズの出場権争いで、大坂は5位前後になる予定となり、2年連続出場の可能性が高い。

 大坂の次の戦いの舞台は、9月16日から大阪で開催される東レ パン パシフィックオープンテニスの予定だ。過去2度準優勝している大会で、3度目の正直で日本での初タイトルを狙う。

「日本でいいプレーができたらいい。シーズン終了までいい調子を保っていきたい」

 大坂は、1月の全豪以降優勝がない。是が非でもここで優勝して、トッププレーヤーとしての存在感を見せたいところだ。それには「ここからたくさんのことを持ち帰ることができる」という大坂が、ニューヨークでの敗戦を糧に、しっかり前進できているかがカギになる。

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