ミスをしても錦織圭はポジティブ。「いい時のプレーは気に入っている」 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 クランは、試合全体でサービスエース18本を含む50本のウィナーを決めた。だが、バックのミス32本を含む62本のミスを犯し、さすがに錦織の勝利が揺らぐことはなかった。

 錦織は、今回もポジティブな点をピックアップして次につなげようとしていた。

「アップダウンはありますけど、いい時のプレーはすごく気に入っているというか、いいテニスができていると思う。(前哨戦の)カナダとシンシナティで合わない感じがあったのに比べれば断然いい」

 3回戦では、クリスチャン・ガリン(32位、チリ)とアレックス・デミノー(38位、オーストラリア)の勝者と対戦予定で、共に初対戦になる。

 デミノーは、オーストラリアの次世代エースとして嘱望されている20歳。2019年シーズンに、ATPシドニー大会とATPアトランタ大会で優勝している。

 ガリンは、今季ATPヒューストン大会とATPミュンヘン大会で優勝、ATPサンパウロ大会で準優勝(すべてサーフェスはレッドクレー)して、ランキングを急激に上げてきた23歳の成長株だ。

 錦織が2回戦のように隙をみせるテニスをしてしまったら、ガリンもデミノーもそこを、反撃の糸口にしてくるだろう。

「もっとタフなストローク戦になると思う。明日はまたいくつか調整して、よりよい練習ができたらと思います」(錦織)

 ラウンドが上がって強敵との対戦が始まっていく錦織は、今後右ひじの状態も懸念される。うまく軌道修正をして、プレーのレベルを上げられるかが上位進出のカギになっていくはずだ。

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