錦織圭が400勝後に語った恩人への思い
「僕を超える選手が出てほしい」

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by ko Hitoshi

「やっぱり(盛田)会長のファンドをやっている意味というか、僕を超えられるぐらいの選手がいっぱい出てきてほしいです。僕の中では、会長に一番いい成績を届けたい、一番の人ではあります。そのために自分ももうちょっと頑張りたいと思いますね」

 盛田氏は、錦織が13歳の時に「盛田正明テニス・ファンド」の奨学金によって、アメリカへのテニス留学をサポートしてくれた、錦織にとって一番の恩人。かつては日本テニス協会の会長を務め、名誉会長となった現在も温かく日本のテニス界を見守り、92歳になっても後進を育てる活動への情熱を熱く持っている人だ。

 2019年には、「盛田正明テニス・ファンド」のサポートを受け、錦織の後輩にあたるジュニア選手がアメリカテニス留学し、グランドスラムの舞台で活躍している。

 16歳の望月慎太郎は、2019年ローランギャロス(全仏)の男子シングルス・ジュニアの部で初出場ながらベスト4に進出した。また、17歳の川口夏美は、2019年オーストラリアンオープン女子ダブルス・ジュニアの部で初優勝を成し遂げた(優勝時は16歳)。

 フロリダのIMGアカデミーで望月と一緒に練習したことがある錦織は、若い才能の出現を次のように語る。

「(望月は)IMGアカデミーで一緒にやっていて、将来が楽しみな選手ですね。まだまだ若いので、もうちょっと時間はかかると思います。彼はプレーが魅力的で、パワーだけに頼らず、いろんな方面からプレーできる選手。どう育っていくのか僕もすごく楽しみしています」

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