大坂なおみが全仏初戦で苦しんだ原因。「すべてが新しいことばかり」 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 第1セットではファーストサーブの確率が53%、ミスが13本。第2セットではファーストサーブの確率が60%、ミスが24本。大坂は第2セットまで、ミスの多いテニスによって苦しい展開を強いられたが、ファイナルセットではファーストサーブの確率が80%に回復し、ミスは4本に抑えた。

 また、シュミエドロバのセカンドサーブに対しては、ベースラインの内側に入ってリターンポジションを取って、プレッシャーをかけ、ラリーではショートクロス気味の角度をつけたショットを効果的に使った。

 足が動き始めて、本来のクオリティーが発揮できれば、地力に勝るのは大坂であり、ファイナルセット第2ゲームから6ゲーム連取で勝負を決めた。

 大坂は2回戦で、ビクトリア・アザレンカ(43位、ベラルーシ)と対戦する。アザレンカは、2012年と2013年の全豪オープンチャンピオン。対戦成績は、1勝1敗で、元世界ナンバーワンでもあるアザレンカを大坂は警戒する。

「最近、彼女はとてもいいプレーをしています。きっと、今年最もタフな試合のひとつになるはず」

 グランドスラムでも、楽しむことを心がけている大坂は、立ち上がりこそ数字の呪縛にがんじがらめになってしまったものの、「1回戦で勝利を拾うことができた経験を糧にしていきたい」と誓う。

「今、私が経験していることすべてが、すごく新しいことばかりです。今のポジションは経験したことがないことですからね」

 大坂は、第1シードの重みを噛みしめながら、グランドスラムで2連勝している世界1位の力をパリでも示そうとしている。

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