大坂なおみは東京五輪に出場できるか。日本女子テニスの新たな問題 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 土橋登志久監督は、日本がWGに留まるべきチームであることを力強く語りつつ、さらなる高みを目指している。

「チーム日本として、WGに残留すること、そして常にここで戦うことを目標に掲げています。戦う力があることは証明できた。こういう戦いをしていけば、いつかはさらに上を目指していける」

 今回の日本代表は、土居、奈良くるみ(169位)、日比野、青山修子(ダブルス44位)、穂積絵莉(ダブルス31位)で構成され、日本トップランカーの大坂なおみ(1位)は代表を辞退して不参加だった。

 3月下旬のWTAマイアミ大会で大坂は、「次に出場する試合は?」と質問をされた時に、WTAシュツットガルト大会(ドイツ、4月22日~)と答えていた。つまり、大坂は個人戦を優先し、4月からのヨーロッパクレーシーズンに備えることを選択したのだ。

 マイアミには、土橋監督も視察のために足を運んでおり、大坂へフェドカップ出場を要請したものの残念ながらその思いは叶わなかった。土橋監督は、大坂との交渉を「グランドスラムで何回も優勝したロジャー・フェデラーやセリーナ・ウィリアムズといったトップクラスの選手を説得するようなものだ」とたとえた。

「(大坂に)フェドカップへのオファーをしたのは事実ですし、(大坂が)個人の大会を優先したいということで、今回辞退したのも事実です」

 今回、大坂がフェドカップに出場しなかったことで、多くの関係者が気をもんだのが、2020年東京オリンピックへの出場権のことだ。

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