「感覚はよかった」のに2回戦負け。頭をよぎる錦織圭の年齢問題 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 29歳の錦織がその過程に足を踏み入れたという判断を下すのには時期尚早で、もっと時間をかけて彼のプレーを見守らなければならない。約11カ月のツアーを毎年戦う中で、調子の悪い時は必ずあるからだ。

 プロ選手なら、何かしらポジティブなものを大会から持ち帰りたいと思うのは当然で、基本的に前向きな錦織は、なおのことその傾向は強い。ましてや年齢からくる力の衰えだとしたら、負けず嫌いな錦織は自分自身では認めたくないだろう。

 だが、ここはテニスの調子が良いはずだと意固地になり過ぎずに、コーチたちときっちり話し合って練習を重ねながら、4月から始まるヨーロッパでのクレーシーズンに向けて、軌道修正をすべきではないだろうか。

「やっていくしかないと思います。なかなか、ずっと調子を100%というのは難しいので、まぁ、珍しい2大会(インディアンウエルズとマイアミでの大会序盤敗退)ではありましたけど、これを反省して、次に向けてプラスにしていければなと思います」

 錦織の次戦は、4月中旬のMS・モンテカルロ大会。昨年は、右手首のけがの復活の狼煙となるような準優勝を成し遂げたため、ランキングポイント600点のディフェンドをしていかなければならない。

「気持ちの面だったり、自信をつけてクレーコートシーズンに臨めれば。しっかり練習期間もあるので、まぁ大丈夫だと思います」

 ポジティブな姿勢を保とうとする錦織の言葉を信じたいところだが、トップ5に返り咲く目標を達成するには今がまさに正念場で、ここをどう乗り越えるかによって、今後の錦織のキャリアにも影響を及ぼしていくかもしれない。

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