全豪制覇の大坂なおみ。
昨季と比べてもっとも進化した点は?

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by koHitoshi

気迫の籠ったショットで勝利を引き寄せた気迫の籠ったショットで勝利を引き寄せた 大坂は、グランドスラムで昨年のUSオープン以来通算2回目の優勝となり、さらにオープン化以降、日本人選手でグランドスラム2大会連続優勝は初めての偉業となる。

 そして、全豪決勝の結果、WTAランキングのポイントは、優勝の大坂が7030点、準優勝のクビトバが6290点となり、1月28日づけのランキングで日本人初の世界ナンバーワン選手が誕生した。21歳での初のナンバーワンは、2010年に20歳で1位になったキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)の記録に次ぐ若さとなる。

 世界歴代26人目の世界ナンバーワンとなったが、歴史的な瞬間にもかかわらず、大坂は初の1位に関して喜びを見せなかった。

「次の大会でプレーする時に、ナンバーワンになった自分の名前を見る時、何かを感じるでしょう。でも、今は優勝トロフィーを手にできた方がうれしい」

 プロを目指す時、大坂はグランドスラムで優勝することと世界ナンバーワンになることを目標に掲げた。全豪での初優勝では、グランドスラム2回目のタイトルと初の世界ナンバーワンを実現させたのだが、彼女の目標には変化が起こっていた。

「子供の時は、厳しい練習の目的として夢を追い求めたいものです。誰にとってもグランドスラムで優勝することとナンバーワンになることは、とても大きなモチベーションになる要素です。(昨年の)USオープンで優勝した後、予選なしで大会に入ることができるのなら、ランキングのことは気にかけないようにしようと考えるようになりました。自分がシード選手になれば、大会では1回戦が不戦勝になる、それが次のゴールになりました。

 私がこの大会(全豪)で優勝すれば、ナンバーワンになれると話していましたが、私はそれを成し遂げることができました。でも、ランキングは決して自分の本当のゴールではなく、この大会で優勝することでした」

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