錦織圭がグランドスラムを制覇するためにあと何が足りない? (3ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 また、2018年USオープンでは、準々決勝でマリン・チリッチに4時間8分におよぶ5セットで勝利した後、準決勝でジョコビッチと対戦してストレートで敗れている。

「彼(ジョコビッチ)とやる時は、いつも満身創痍というか、いちばんきつい時に彼との対戦が来るので、なかなかタイミングも味方をしてくれないですけど......。フィジカルも強くなっているし、このままやっていけば、強くなっていけると思います」

 昨シーズン錦織は、右手首のケガから復帰し、強い体を手に入れて戦列復帰を果たしたが、フィジカルだけでなくメンタル面なども、ジョコビッチの域にはまだ達していない。そのことは錦織自身も認識している。

「体の強さはまだまだ必要だろうし、戦っていく気持ちと体力はもうちょっと必要なのかなと思います」

 全豪をベスト8で終えた錦織は、大会後の1月28日づけのATPランキングで7位に上昇する予定だ。開幕週のATPブリスベン大会で初優勝して最高のスタートを切って、全豪ベスト8もけっして悪い成績ではなく、2019年シーズンは上々の滑り出しと言える。

「いいスタートだと思いますけど、やっぱりどうしてもこれからグランドスラムでの活躍が一番重要になってきますし、ベスト8を超えられないというのはすごく悔いは残るので、やりきれない思いはあります。ひたすら頑張っていくしかないので、気持ちを切り替えて次からまたやりたい」

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