大坂なおみ快進撃の要因は、伊達公子氏も目を見張るピーキング力 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

「私がチャンスを与えてしまったため、なおみは、的確にボールを捕らえて打ってきました。以前対戦した時よりも、少し自信を深めているようだった」(スビトリナ)

 大坂は、グランドスラムで昨年のUSオープン以来通算2回目のベスト4進出で、さらに1968年以降のオープン化(プロ解禁)以降、日本人選手でグランドスラム2大会連続ベスト4は初めての快挙となった。

 伊達さんはまた、大坂の全豪での勝ち上がり方や試合内容に目を見張る。

「2週間(という大会期間)を見据えながら、終盤にかけてピーキングすることを踏まえ大会に入れている。序盤こそ腰を気にする仕草がありましたけど、どうやって勝ち抜いていくかという準備もされてきている。プレーも安定していて、我慢するところと攻撃のメリハリもよくなっているんじゃないかと思いますね」

 さらに、大坂の練習に帯同することもある日本テニス協会ナショナルコーチの吉川真司氏は、昨年の冬に取り組んだことが成果となって表れていると指摘する。

「(大坂が)フィジカルも技術も、気持ちの部分もすべて進化しようとしてやってきたことが、全豪での結果につながっています。彼女は本当の実力を手にしてきて、ここで勝つべくして勝っていると思います」

 オフシーズンでのトレーニングの成果は、昨年よりさらにスマートになった大坂の姿からも察することができる。

「見た目でフィットしていることがわかるし、コート上で動ける量が増えています。動けるスピードも上がっているので、いいポジションに入って打てる。さらに、より動けるので、自分のいいボールを打てる回数も増えるのです。もともとあれだけのパワーとスピードを持つ選手で、その回数が増えれば、当然有利に立てます」

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